シリア難民およびヨルダン人への緊急越冬支援開始

(2017.02.01)

難民キャンプで初めて雪が降った朝

厳しい寒さに凍える子どもたち

シリア内戦から逃れた子どもたちとその家族が多く暮らすヨルダンに、厳しい冬の寒さが再び襲っています。
特別な許可を取らない限り、正規な仕事に就けないシリア難民にとって、冬は、農業や建設業が限定的になるため、安い非正規な仕事が少なく、収入が減少します。

さらに、65万人を超えるシリア難民を抱えたヨルダンでは、家賃や水道光熱費、食費などの高騰が続き、シリア難民にとっても、ヨルダン人にとっても、生活は困窮を極める一方です。

両親がいない兄妹。お兄ちゃんのカリールくん(5歳)は、妹のホーダちゃん(4歳)に、一つしかないブーツを履かせてあげているため、サンダルで雪の中を歩いている

越冬支援とは?

緊急越冬支援は、困窮を抱えながら暮らしているシリア難民、および、貧困世帯のヨルダン人の冬を越えるための必要に応え、尊厳を確保することを目的としています。

支援方法は2つ。越冬物資バウチャー*現金給付です。
(*バウチャー=所定の場所で、特定の商品を購入できる券)

越冬物資バウチャー:必須となる越冬物資(ガスシリンダー、冬物衣料など)を確実に入手することができるように、ヨルダンの業者と提携し、越冬物資バウチャーを発行し、配布します。

現金給付:暖房費、食料や医療など、越冬時における世帯ごとに異なる多様な緊急ニーズに対応するために、現金給付による支援も行います。

ガスシリンダーを受け取っているシリア難民の男性

バウチャーや現金給付による支援について

バウチャーや現金給付を利用した支援は、既存の市場を活用して物やサービスへのアクセスを確保する、キャッシュ・ベースド・プログラミング:Cash-Based Programming (CBP)と呼ばれています。
世界人道サミットにおいても奨励されており、シリア難民支援だけでなく、広く人道支援団体の間で用いられています。

ヨルダンのように、市場や銀行などが機能している場合、人道支援団体が越冬物資を購入、運搬、配布するよりも、受益者が市場から必要な物やサービスを入手するほうが、より早く、効率的に、かつ、柔軟に受益者の必要に応えられることが、評価されています。

既存の市場を活用することで、地元経済の活性化も期待されています。また、CBPでは、シリア難民のニーズに則して、手に入れる物の種類やタイミングを選択することができることから、尊厳を確保することにも繋がります。

タイヤの上に立って雪の冷たさをしのいでいるラドワンくん(4歳)。濡れたくつを乾かしているため、履くものがない

「子どもたちには不自由な生活をさせたくない」

夫と4人の娘とともにシリアを去り、ヨルダンで息子を出産した母親が、次のように語ります。

「冬の寒さで私たちの生活はさらに困難を極めています。私たちは2カ月間、家賃を払えていません。いつか追い出されるのではないかと恐れていますが、どうすることもできません。お金がなくて、病院にも行けません。十分な衣類もありません。

娘に新しいズボンが必要なことを分かっていながら、どうすることもできません。夫と私は、自分たちには何もいりません。けれど、子どもたちには不自由な生活をさせたくないのです

燃料がなくて使えないヒーター

冬の寒さから子どもたちを守るためにシリア難民支援募金へのご協力をお願いします


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