保健・栄養

世界では500万人の子どもたちが、5歳の誕生日を迎えることなく命を落としています。1日あたりにすると、約14,000人。その大半は容易で安価に予防・治療できる病気が原因となっています。

毎日約14,000人の子どもが
5歳未満で亡くなっています

世界では500万人の子どもたちが、5歳の誕生日を迎えることなく命を落としています。そのうち、230万人は生後28日未満の新生児です。(出典:UNICEF 2022)

予防接種を受けられない、あるいは安全な水を使うことができない子どもたちの多くは、5歳まで生きられない、または健康に問題を抱えた人生を歩む可能性が高くなります。

栄養のある食事ができない子どもたちは、身体的または生まれながらの能力を十分に発揮できないまま育ち、学習能力や将来における収入獲得能力が制限されてしまうことがあります。

世界で8億2800万人が急性の飢餓に直面

現在、8億2800万人以上が飢餓に直面しており、その数は2019年から2倍以上に増加しています(出典:WFP 2022)。特に成長期にある子どもの場合、十分な栄養が得られないと免疫力低下、貧血、運動能力低下等、様々な健康問題を成長してからも抱えることになります。食べる量はもちろんですが、バランスの良い栄養をとることも、健康な生活をおくる上では非常に重要です。

特に近年では、干ばつや洪水等の自然災害により農作物や財産、仕事を失った人々が食糧確保が困難になる場合があります。また、食料価格の高騰や紛争等の影響により、最も弱い立場にある子どもたちや人々が十分な食料を得ることが困難になっています。

4秒に1人が飢餓で命を失っている -このような推計を受けて、2022年9月、各国また国際的に活動する非政府組織(NGO)238団体は、第77回国連総会に集まる指導者たちに対し、悪化の一途をたどる地球規模の危機的な飢餓を終わらせるため、断固たる行動をとるよう呼びかけました。詳しくはこちら

多くの命は救えるはず

家族とコミュニティで可能な「予防」と、基礎的な「治療」の提供があれば、 子どもたちの命を救うことはできるはずだと言われています。

5歳未満児死亡の主要な要因である肺炎、下痢、マラリア、妊娠期・出生時・新生児期合併症は、すべて予防可能であり、支援をすることで死亡数の削減が期待できます。

家族が、子どもを病気から守り、健康を保つことができるよう、知識や情報、必要な手段を手に入れられることが大切です。予防接種や適切な栄養補給、母乳育児、日常的な石鹸による手洗いの励行、適切な薬の迅速な服用等、これらは高度先進的な対策を必要とするわけではありません。基礎的な対策が確実に実行され、これらの対策をより着実なものとするためには、コミュニティ・ヘルス・ワーカーが適切に訓練を受け、保健システムを強化することが不可欠です。

また、子どもの死亡率の相対的な格差は、四半世紀の間で大きな変化がなく、サハラ以南アフリカで生まれた子どもたちは、高所得諸国で生まれた子どもたちと比べて、5歳未満で命を落とす確率が10倍も高くなっています(出典:UNICEF 2019)。

世界中のすべての子どもたちが「子どもの権利条約」に掲げられている「生きる権利」を保有しており、条約締約国は、子どもたちの生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保することが求められています。子どもたちの命と健康を守るに、子どもたちの家族やコミュニティ、政府それぞれが役割を果たすことが大切です。

ワールド・ビジョンの保健・栄養への取り組み

地域や政府機関、医療機関との連携

ワールド・ビジョンは、世界およそ100カ国でこれまで70年以上にわたり、栄養改善、子どもを対象とした包括的な疾病対策、HIVに感染した人々や家族へのケア、弱い立場に置かれた子どもたちへの支援などを通じて、子どもたちの命と健康を守る活動を行ってきました。 ワールド・ビジョンは、このような活動を地域住民、地方自治体や保健省などの政府機関、医療機関と連携して行っています。また、政策提言やアドボカシー・キャンペーンを通じて、 貧しい人々が保健医療サービスを受けられることを保障するような国家の保健政策が策定・実施されるよう、途上国政府に働きかけてきました。さらに、先進国政府に対しても、そのような途上国の取り組みを政治的・資金的に支援するよう、提言してきました。

現在、森永乳業株式会社(森永乳業)が2023年5月に開始したベトナムの子どもたちの健康を応援する「Smiles & Health for Children」に協力し、ベトナム国ディエンビエン省トアンザオ郡において、子どもたちの健康・栄養状態の改善に向けた取り組みの実施にあたって協働しています。 詳しくはこちら

ONE GOALキャンペーン

公益財団法人日本サッカー協会(JFA)とワールド・ビジョン・ジャパンが協力し、サッカーを通して、アジアと日本の子どもたちの栄養改善・母子保健に関する啓発キャンペーン「ONE GOAL」を行いました(2013年開始)。

「ONE GOAL」は、アジアサッカー連盟(AFC)が「アジアのすべての子どもに栄養を」という"ONE GOAL"に向かって実施した社会貢献キャンペーンです。

アジアの5歳未満の子ども3億5000万人のうち4分の1は低体重で、1億人が発育不良です(2014年)。アジアの子どもたちがより良い食生活で、成長に必要な栄養を適切に摂取し、健やかに成長するため、ONE GOAL キャンペーンでは、アジアにいる14億人のサッカーファンとともに、各国政府、企業、市民社会と協力しながら、子どもたちの健康で活動的なライフスタイルが実現することを目指しました。

出典:Fuelling Asia's footballers for the future; One goal to level the playing field, ONE GOAL

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