2015年9月の国連総会にて、2030年までの新たな国際開発目標となる「持続可能な開発目標:SDGs (Sustainable Development Goals)」が採択されました。正式名称は、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」。2015年を達成期限としていた「ミレニアム開発目標(MDGs)」を引き継ぐ国際社会の新たな目標として、2030年までに世界の貧困を終わらせ、持続可能な世界を実現することを目指しています。
SDGsの特徴のひとつは、開発途上国だけでなく先進国も対象となっていることです。世界中の国々が自国や世界の問題に取り組むことで、貧困を終わらせ、社会的・経済的状況にかかわらずすべての人が尊厳を持って生きることができる、「誰一人取り残さない」世界を実現することが掲げられています。
「持続可能な開発目標(SDGs)」の前身である「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、2000年に採択され、世界の多くの人々の目を開発途上国が抱える課題に向けることに貢献しました。また、2015年という期限までに、極度の貧困状態にある人口割合の半減など、多くの目標において大きな前進が見られました。
しかし、達成できなかった目標も数多く残されています。例えば、乳幼児死亡率については、いまだ世界で年間590万人の5歳未満児が予防可能な要因により命を落としています。
ワールド・ビジョンは、MDGsで達成できなかった目標がSDGsにおいて継承・実現されるように、SDGsの策定プロセスを通じて各国政府への働きかけを行ってきました。
特に、2030年までに予防可能な子どもの死亡をゼロにすることや栄養不良の改善、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃など、子どもたちを中心に据えた目標に取り組むよう、さまざまな政策決定の場で提言活動を展開しました。SDGsでは、これらの課題が目標にしっかりと組み込まれています。
今あなたにできること、一日あたり150円で子どもたちに希望を。
2030年までに、天然資源の持続可能な管理を達成することや、資源の再利用による廃棄物を大幅に削減することが謳われています。また、企業が責任を持って、情報を公開し、環境に配慮した持続可能な活動を行うことを求めています。
貧困をなくし、持続可能で公正・公平な世界をつくりだすには、これまでとは異なる発想と手段が必要です。
ここに掲げられたSDGsの17の目標は、2030年までの世界の新たな行動計画でもあります。この野心的な行動計画を実行し目標を達成するには、最後の目標17にあるように、世界中の国々と市民の協力が不可欠なのです。
持続可能な開発目標(SDGs)の採択を受けて、ワールド・ビジョンは国内外の協力団体などとともに、SDGsを着実に実行するための政策や実施体制を整えるよう、政府に働きかけてきました。
2016年、日本政府は「SDGs推進本部」を立ち上げ、ワールド・ビジョンをはじめNGO/NPOなどの意見を反映する形で、「SDGs実施指針」(国の取り組みの指針)を策定しました。
また、子どもたちのために実施する支援の現場において、SDGs達成につながる活動に一層力を入れています。
これからも、支援者の方々をはじめとする様々なパートナーや関係団体と協働しながら、子どもの保健と栄養、人身取引や子どもに対するあらゆる暴力の撤廃、平和な社会の構築などに重点的に取り組み、アドボカシー活動と現地での支援活動を両輪として、もっとも弱い立場にある子どもたちのためにSDGs達成を目指していきます。
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