世界各地で発生する地震、津波、洪水、台風、干ばつ等の自然災害は多くの人々の命を奪い、一瞬にしてそれまでの生活基盤を破壊するだけでなく、その後も長期にわたって人々の生活を脅かします。また、近年、地球温暖化やエルニーニョ現象等の気候変動による影響も深刻に懸念されています。
特に、開発途上国においては、都市化が進む一方で、インフラ整備の遅れや森林伐採などの人為的要因により、地域全体の災害への脆弱性が高く、大きな被害が出やすい状況にあります。
また、自然災害は、その被害状況にもかかわらず、発生する場所によっては報道が少なかったり、支援が長期に継続する間に人々の注目が薄れ、支援のために必要な活動資金が集まらなくなるという問題もあります。
自然災害によって、子どもたちの生活環境が破壊されると、たとえ最初の危機的状況を生き抜くことができても、生きるための厳しさは増していきます。不衛生な環境、食料や水の不足などが子どもたちの命を奪います。特に弱い立場にある子どもたちは、栄養不良や下痢、マラリア等の感染症が蔓延することにより命の危機に直面します。さらに、長期的な影響としては、教育が中断され、虐待、育児放棄、人身取引、児童労働等に巻き込まれるリスクが高まります。
そのため、子どもたちに適切な食料と十分な水、安全で衛生的なシェルターをできるだけ迅速に提供することが必要です。
また、中長期的な支援の中で子どもたちの心のケアや教育を受ける場の提供が重要な活動となります。災害の影響を受けた子どもたちにとって、学校に戻って勉強ができるようにあることは、日常を取り戻す大きな一歩となります。安心感と日常感を得ることが心のケアにつながり、さらには未来への希望をもたらします。
災害や戦禍など緊急時に迅速な支援を届けるための社会貢献活動に参加してみませんか?
ワールド・ビジョンでは、災害発生直後の緊急時に、食糧、衣料、毛布、テントなどを迅速に配布します。そして、災害によって心に傷やストレスを負った子どもたちのためには、チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)を運営します。CFSで子どもたちは安心して遊び、傷ついた感情を表現し、必要な心のケアを受けます。
一瞬にして日常を奪われた子どもにとっては、災害前に学校へ行っていたように毎日通って友だちと会える場所ができることは、日常性を回復し心の安定へとつながります。
また、CFSに子どもが集まることから、親がはぐれてしまった子どもを見つけやすくなり、子どもと再会できる場ともなります。
緊急支援を経て、人々の生活の回復に向けて保健衛生支援、農業復興、住居支援など、生活基盤を取り戻すための復興支援を行います。緊急援助活動は、文字通り時間との戦いとなります。その活動を支える募金も、まさに緊急を要するものです。そのためにワールド・ビジョン・ジャパンでは緊急援助募金を常時受付け、この募金により、いつ起こるとも知れない突発的な災害や、紛争などの事態に備えています。
災害が起きた時に被害が出ないようにする「防災」とともに、防ぎようのない被害を最小限に抑えるための「減災」が重要です。
このためワールド・ビジョンは、様々な自然災害を前もって想定し、そのリスクに備える「防災・減災」の活動に力を入れています。「防災・減災」活動には、コミュニティが抱える脆弱性を減らすこと、災害がもたらす危険を緩和すること、災害に対するコミュニティの対応力を育てることを含みます。
被災してもその後に回復できる強さを持つコミュニティが育つことが、子どもたちを守ることにつながるのです。
また、気候変動への対策は国際社会でも重要視されています。「SDGs:持続可能な開発目標」の中では目標13として「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」ことが掲げられています。地震や津波、台風、洪水による被害額は年平均で数千億ドルに上り、災害リスク管理への投資だけでも、毎年60億ドルの投資が必要となっています。この目標は、開発途上国の需要に取り組み、気候関連の災害の軽減に役立てるため、2020年までに年間1000億ドルの投資をすることをねらいとしています。
災害や戦禍など緊急時に迅速な支援を届けるための社会貢献活動に参加してみませんか?