2014.06.12
6月12日は児童労働反対世界デ―です。国際労働機関(ILO)によると、世界で児童労働に従事する子どもは1億6800万人。およそ10人に1人の子どもが学校に行く代わりに働いていることになります。さらに、これら子どもの多くは危険で有害な環境で働くことが多く、健康や成長に悪い影響がでてしまいます。ワールド・ビジョンは児童労働の撤廃のために多くの活動をこれまで続けてきました。ここでは、最近の取り組みを紹介します。
ワールド・ビジョンは、11月にオーストラリアで開催されるG20サミット(20カ国・地域首脳会合)に向け、G20諸国が児童労働の問題に対し協力して取り組むことを求める政策提言書を発表しました。強大な購買力を持つG20諸国が児童労働の問題に目を向けたうえで、強く持続可能な経済成長に向けて進んでいくべきだ、と述べています。政策提言書では、G20の政府は2014年で合計10~15兆ドル(約1000~1500兆円)もの資金を公共調達に費やす予定があり、その巨額の調達において、児童労働に関与しないように共通基準を作成していくべきだと指摘しています。
※ 政策提言書「子どもに配慮した市場成長:G20の公共調達における児童労働について」はこちら
「カンボジアの子どもの人身取引」〜子どもの権利をどう活かせるか〜と題し、6月1日(日)にJICA地球ひろばにて、認定NPO法人C-Rightsシーライツとワールド・ビジョン・ジャパンが共催セミナーを開催しました。
人身取引は、児童労働の中でも最悪の形態の児童労働と言われ、子どもの権利の実現を阻む大きな問題になっています。セミナーでは、人身取引をなくすためにカンボジアでワールド・ビジョンが行ってきた対策事業を中村スタッフが紹介をし、シーライツの甲斐田代表と意見交換を行いました。当日は50人を超える参加があり、問題に対して何ができるか、活発な議論が交わされました。今後もこういった取り組みを続け、児童労働をなくすために、日本からできることを発信していきます。
中村スタッフが執筆した児童労働に関する記事が、2014年6月11日付SANKEI EXPRESS紙に掲載されました。一見すると遠い世界でおきる、日本とは関係のない児童労働という問題が、実は日本に住む私たちにも関係があること、そして日本からでもこの問題の解決のために取り組むことができる、ということが書かれています。
※ 掲載記事はこちら