(2024.07.31)
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、国内支援活動の一環として、多文化共生について学ぶ勉強会を企画・実施しています。事務所が立地する中野区近隣で子ども支援に取り組む方々とご一緒に、多文化共生のあり方について考え、すべての子どもが豊かに育つ地域社会づくりへつなげていくことを目指します。
2024年5月30日に実施した第2回勉強会では、中野区鷺宮地区での居場所づくりを中心に連携する3団体から講師をお招きし、外国にルーツを持つ子どもへの支援のあり方について、専門的なお話から連携事例まで、幅広いお話を伺うことができました。
多文化多言語の子ども発達支援に取り組むNPO法人HATI JAPAN代表理事の東谷知佐子さんからは、外国ルーツの子どもの発達理解と支援の考え方について、発達心理学の立場からわかりやすく説明くださいました。
「横軸」(子ども自身の能力・特性や環境との関わり)と「縦軸」(子どもの過去・現在・未来)の視点を持った多角的な子ども理解の必要性など、多くの興味深いお話だけでなく、すぐに活用できそうな具体的な支援のヒントも示され、参加者の皆さんは深く頷きながら聞き入っていました。
中野区国際交流協会(ANIC)の田島実恵さんは、ANICが1989年から開講してきた日本語講座を、2022年度から区内南北の2地域(鷺宮地区・弥生地区)にも開設した経緯と狙いについて、紹介くださいました。地域での日本語講座は、外国にルーツのある方々にとって身近な学習の場となるだけでなく、様々な相談ごとの受け皿にもなりえます。講座を通じて、そうした日常の相談ごとの解決に必要な事柄を、地域住民や適切な機関・団体へつなげていくことも目指しているとのお話でした。
そのつながりづくりの結び目役となっているのが、中野区社会福祉協議会です。課長の小山奈美さんは、コロナ禍で収入が減少した外国籍の方々の相談を多く受ける中、支援に関心のある方々と一緒に地域の課題を共有し活動していくネットワークづくりの必要性に気づかれたことが、連携のきっかけと話されました。そうして生まれた"鷺宮グローバルネットワーク"では、ANICによる日本語教室、HATI JAPANによる居場所づくり、さらに学校・地域住民・自治会・行政など様々な関係者が連携し、インクルーシブな地域社会づくりにとり組んでいることを説明くださいました。
当日のアンケートより、参加者の感想の一部を紹介します。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、多様な背景をもつすべての子どもが、豊かに育つことのできる地域社会を目指し、今後も取り組みを進めてまいります。
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
支援事業第2部国内支援・アドボカシー課 高橋・志澤
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