長期化する危機、混乱続くミャンマー
子どもたちの未来を守るため、チャイルド・スポンサーシップを続けています

(2022.11.29)

ミャンマーは、2016年に民主化に向けて歩み出しましたが、2021年に政変が起こり、その混乱は今もなお続いています。現在140万人が国内で避難生活を強いられており、1500万人以上の人々が十分な食糧を入手できない状態にあります。ワールド・ビジョン・ジャパンは、政変の後、より一層厳しい環境に置かれた子どもたちを支えるため、2つの地域でチャイルド・スポンサーシップによる支援活動を継続しています。

「大好きだった学校をやめて、今は、やぎの世話をする仕事をしています。1日働いても1,000チャット(約70円) にしかならないけど、僕が稼がないと家族が食べていけないんだ」

ワールド・ビジョン・ジャパンが支援するカンディタン地域で、おばあちゃんと兄弟たちと暮らす、12歳のチャンくんの言葉です。チャンくんの両親は、チャンくんと兄弟たちを置いて、出て行ってしまいました。チャンくんが暮らす村では、このように教育をあきらめて働くことを余儀なくされている子どもたちが少なくありません。

学校をやめて働く男の子
ミャンマーのチャイルド・スポンサーになる

(メモ欄に「ミャンマーのチャイルド希望」とご記入ください)

「先の見えない危機、だからこそ長期的支援を通じて子どもたちを支えたい」

ミャンマーでの事業を担当する志澤スタッフは、こう語ります。

「ミャンマーの危機は長期化し、子どもたちを取り巻く環境は日に日に厳しくなっています。ワールド・ビジョン・ジャパンが2019年から開発支援プログラムを開始したカンディタン地域でも、政変の影響を受けて、計画通りに活動を進めることがままならない時期がありました。混乱の中で、スタッフも様々な困難に直面しています。

今、ワールド・ビジョン・ジャパンは、定期的にチャイルドの状況をモニタリングしながら、支援継続に努めています。そして今後も、必要に応じて緊急支援活動も交えながら、カンディタン地域での支援活動を拡大していきます。

先の見えない危機が広がる時だからこそ、私は、住民と信頼関係を築き、長期的な視点で子どもたちの将来の基盤を作っていくチャイルド・スポンサーシップは、とても有効な支援方法だと確信しています。チャイルド・スポンサーの皆さまの温かいご支援が、厳しい環境で暮らす子どもたちの大きな支えとなるということも、これまでに幾度となく目にしてきました。チャンくんのようなミャンマーの子どもたちが、希望を持って健やかに成長していけるよう、子どもたちを守り育む輪の中に、ぜひ多くの方に加わっていただきたいと願っています」

志澤スタッフ
ミャンマーの事業を担当する志澤スタッフ。支援地域の人々とともに

栄養不良、児童婚 ―― 子どもたちの状況は悪化しています

カンディタン地域では、住民の9割以上が農業で生計を立てていますが、日雇い労働者も多く、十分な収入を得ることができません。そうした家庭では、子どもが学校をやめて働いたり、女の子が若くして結婚したりと、子どもへの影響が深刻です。また、貧困のため栄養のある食事がとれず、栄養不良に陥る子どもたちも多くいます。

栄養不良になってしまったチェリーちゃん(5歳)
栄養不良になってしまったチェリーちゃん(5歳)。カンディタン地域に暮らす人々は、栄養に関する知識が乏しいうえに
生活が困窮している家庭も多く、十分な食糧を入手できないため、子どもたちは低体重や栄養不良に陥っています
ミャンマーのチャイルド・スポンサーになる

(メモ欄に「ミャンマーのチャイルド希望」とご記入ください)

ミャンマーの子どもたちの未来を守るために

カンディタン地域では、以下の活動を実施していきます。

  • 保健栄養・水衛生
    地域の住民が、栄養や健康管理について学び、実践することができるよう、コミュニティ保健ボランティアの育成や啓発活動に取り組みます。
  • 生計向上
    収穫量が増加するよう農畜産業の研修を行い、地域の人々が安定した収入を得ることができるよう支援します。また、行政が配置した農業指導員の能力強化を行います。
  • 子どもの保護
    子どもの権利や保護に関する啓発活動の実施に加え、研修を受けた住民ボランティアが家庭訪問を行うことにより、生活に困窮した家庭の子どもが、学校に行かず働いたり、若すぎる結婚をしたりすることがないよう支援します。また、子どもたち自身が、自分たちの権利について学ぶ機会として、子どもクラブなどの活動を実施します。

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