2015.03.18
ワールド・ビジョンが支援活動において取り入れている「防災・減災」のための3原則を前回の「第1回 コミュニティが抱える脆弱性を減らす~ソマリアの事例より~」に引き続きご紹介します。
チャイルド・スポンサーシップによるウガンダのナラウェヨ・キシータ地域開発プログラム(ADP) では、干ばつ、洪水、暴風雨等従来からある自然災害に加え、近年、森林伐採などの人為的な自然破壊が引き金となる災害リスクが高くなってきました。
これらの問題により、子どもたちの安全な通学が妨げられたり、農作物が不作となり十分な食事ができなくなるなどの問題が発生します。
こうした状況に対処するため、ワールド・ビジョンは、県、区、村など、それぞれの行政レベルごとに設けられた、地域の人々から成る防災委員会の能力強化に力を入れています。
研修を実施し、災害が発生した場合に、被害が大きくなる原因は地域が抱えるどのような状況と関係しているのかを予め想定できる力を高め、災害が発生した場合の被害を最小限にできるよう、ともに活動しています。
■コミュニティが進める災害早期警報システム作り
災害発生時にコミュニティの中で被害が発生しやすいのはどこかが把握されてきたこと(脆弱性の評価)や、災害の可能性を早い段階で知り、対応するための早期警報システム作りが進んでいることが成果です。
今では、農家の人々に環境省が発表する気象情報が迅速に届くようになり、農家が農業を計画的に実施することを助けています。携帯電話を持つ農家には環境省から直接情報が配信され、さらに多くの農家への情報伝達には、村の掲示板や地域のFMラジオ局が活用されています。
また、森林破壊や過去の災害による影響が大きかった地域や、活用できる地域のリソースがどこにあるのかについて情報が整理され、今後のための分析に用いられるようになりました。