【南スーダン】水衛生・保健分野の新型コロナウイルス対策事業が終了しました!

(2023.06.30)

支援により修繕した井戸を使う避難民の子どもたち
支援により修繕した井戸を使う避難民の子どもたち

ワールド・ビジョン・ジャパンが、南スーダン西部のタンブラ郡で2022年3月から実施していた、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防と対応のための水衛生・保健事業が2023年3月末に終了しました。

南スーダンでは2013年以降、232万人の難民、223万人の国内避難民が発生し、「アフリカ最大の難民危機」は今も続いています(UNHCR2023)。

事業地のタンブラ郡では 2021年6~10月に勃発した地域紛争により約8万人規模の避難民が発生しました(2022年9月時点)。紛争の影響により水衛生施設や保健施設が破壊され、人口が急増し過密状態となった避難民キャンプでは、新型コロナウイルスの感染リスクの拡大が深刻な課題となっていました。

事業では避難民キャンプの井戸、仮設トイレ、手洗い場等、計28カ所の衛生設備を修繕・新設し、施設が適切に維持管理されるために修理技術者や水管理委員会への研修も実施しました。また、新型コロナウイルスの予防と対応のために避難民キャンプや周辺コミュニティの住民計4,747世帯に対して手洗い等の正しい衛生習慣の啓発を行いました。

地域の保健施設16施設に対しても、保健施設で生じた医療廃棄物からの二次感染を予防するための焼却炉の新設など水衛生設備計31設備を修繕・新設しました。また対象保健施設のスタッフへの新型コロナウイルス予防と制御に関する研修を実施し、保健施設で感染予防・制御策が実施される体制の強化に貢献しました。

井戸の維持管理方法・修理方法を伝える研修の様子
井戸の維持管理方法・修理方法を伝える研修の様子
音響設備も活用し、正しい手の洗い方等を伝える啓活動を実施
音響設備も活用し、正しい手の洗い方等を伝える啓活動を実施
支援を通して新設した、保健施設に医療廃棄物を処理するための焼却炉
支援を通して新設した、保健施設に医療廃棄物を処理するための焼却炉

担当者コメント

支援事業部 緊急人道支援課

プログラム・コーディネーター 内藤 優和

人々が密集して暮らし流出入が多い避難民キャンプは、新型コロナウイルスに限らず他の感染症の蔓延リスクに常にさらされています。子どもたちを含む人々の命を守るために、感染症や衛生習慣に関する正しい知識を繰り返し根気よく伝え続けていく中で、自ら簡易手洗い場を設置し感染症対策を行うコミュニティ内の飲食店が増えるなど、事業開始前には見られなかった変化も生まれました。治安の関係上、日本人スタッフが事業地に入ることができない制限がある中でも、故郷を追われ厳しい環境の中で避難生活を送る人々が自分や周りの人々のために自分にできることをしようと起こした小さな行動の変化に、想いをはせながら事業を実施しています。

この支援活動は、皆さまからの難民支援募金と、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金によって実施しています。改めて、皆さまからのご支援に御礼申し上げます。

引き続き、難民支援募金にご協力をお願いいたします。
リンク難民支援募金に協力する
南スーダン・ジュバのWFPプロジェクトの避難民キャンプで暮らす受益者へインタビューをする内藤スタッフ

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