(2016.11.08)
■課題
オレントン・イララマタク両地域では、保護者自身も学校に通ったことのない場合が多く、教育の重要性への理解が進んでいません。
広大な土地に人々が散らばって暮らしており、学校も少ないため、最寄の学校が10km 以上離れていることも珍しくありません。
■支援
WVJでは、地域住民に対して教育の重要性を訴える活動を地道に続けるとともに、小学校の校舎や寄宿舎、教師のための住居の建設を進めてきました。
プログラム開始時は学校に通っていない子どもが数多くいましたが、支援の成果があり、小学校に入学する生徒の数が年々増えています。
■課題
両地域には、診療所やトイレ、安全な水を得るための給水設備など、人々が健康に過ごすための基本的なインフラが整っていません。
■支援
診療所の建設やトイレ・水タンクの設置を進めるとともに、妊産婦に対して産前健診や母乳育児の重要性を伝えたり、母親に対して栄養バランスの取れた食事の作り方や子どもの下痢への対処法を教えたりしています。
地域で活動する保健ボランティアの育成にも力を入れています。
オレントン・イララマタク両地域で暮らす人々のほとんどはマサイ族です。マサイ族はケニア南部とタンザニア北部に住む民族で、独自の言語と文化を持っています。両地域の多くのチャイルドは、このマサイ族の文化の中で暮らしています。
マサイ族は伝統的に放牧で生計を立てて来ました。近年、政府による定住化政策が進められており、2017年にプログラムの終了を迎えるオレントン地域では、すでに定住して農耕を営んでいる家族も多くいます。
しかし、いまだに牧草を求めて遊牧生活を送っている家族も少なくありません。イララマタク地域では、時々国境を越えてタンザニアまで放牧に行ってしまう家族もいます。
マサイ族の伝統的な結婚の形は一夫多妻制。今でも複数の妻を持つ男性が少なくありません。家庭では、家畜の放牧以外のほぼすべての労働は女性が担うものとされています。
驚くのは、家の建設や維持管理も女性の仕事だということ。牛糞と泥をこねて家を建て、雨漏りの修理をするのも女性の仕事です。
赤を基調としたカラフルな布を身にまとい、手作りのビーズアクセサリーで身を飾るのがマサイ族の女性のスタイルです。
男性は主に赤のチェック柄の布を羽織り、長い棒を手にしています。
スポンサーサービス課
石坂 明日香
ケニア出張に出発する前に、3番目の子ども(6歳)が真剣に「ママがアフリカでライオンに食べられないように」と祈って送り出してくれました。幸いライオンに襲われるようなことはありませんでしたが、野生のキリン、シマウマ、ダチョウを見かけました!