ラオスでは初等教育の就学率は高いものの、学習環境と学習の成果において、国内での格差が生じています。特に少数民族が多く暮らす農村部では、教育インフラの乏しさに加えて、貧困や社会・文化的要因などにより、子どもたちが低学年で十分なリテラシー(読解力)を身につけることが難しく、退学率や識字率の格差につながっています。
支援地域であるタパントン郡は、貧困ライン(1.9ドル/日)以下で暮らす世帯の割合が10~15%を占めている、ラオス国内でも貧困度の高い地域の一つです。少数民族のカタン族が多く暮らし、日常生活ではカタン語を用いています。しかし小学校での授業はラオ語で行われるため、子どもたちが低学年のうちにラオ語を十分に習得することは困難です。また、多くの小学校で学習環境が整っていません。このような背景から、高学年になる前に退学してしまう子どもたちが後を絶ちません。
校舎が老朽化し、子どもたちの安全が脅かされている小学校4校において、政府の基準に則ったコンクリート製校舎の建設、学校備品の供与、校庭の整備を行い、子どもたちが安全に、快適に学べる環境を整えました。加えて、小学校5校で給水システムを整備し、子どもたちがいつでも安全な水を手に入れられるようになりました。
新しい校舎で笑顔の子どもたち
ケオウドンさん 教員
旧校舎では雨のときや、暑い時期には授業をするのが困難でした。子どもたちは授業に集中しづらく、学校を休みがちでした。
今年度は、例年よりずっと多くの子どもたちが学校に来ています。(ワールド・ビジョンが実施した)教育支援事業で学んだ楽しい授業の教え方や、供与された教材を使って教えていることもあいまってか、子どもたちはよく集中して授業に参加しています。
プロジェクトで整備した学校では、子どもたちが楽しく学び、適切な衛生習慣を習得し、自発的に手洗いや歯磨きをしている様子も見受けられます。
校舎、給水システム、屋外の読書スペース等環境の整った学校は美しく、子どもたちの笑顔と希望にあふれる空間となっています。
温かいご支援が、これからの子どもたちの学びと豊かな成長、将来への続いていくよう、今後ともラオスでの支援活動に、チーム一同従事してまいります。本当にありがとうございました。
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特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 法人・特別ドナー課
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Eメール:donation@worldvision.or.jp (件名に「マイルストーン・プロジェクトについて」とお書きください)
2021年4月8日に開催したオンラインイベント、「マイルストーン・プロジェクト説明会~ラオス 教育支援の現場から~」の動画です。当日はラオスと中継をつなぎ、宮内から支援地域の状況や、マイルストーン・プロジェクトにより実施する活動内容について、詳しくご報告しました。