(2019.02.18)
南アメリカ大陸の国の中央をアンデス山脈が縦断して標高が高いエクアドル。年配者や女性の識字率も低いプンガラ地域では、子どもの権利や教育の重要性について啓発活動を行っています。
自分の過去を振り返って、ジェシカさんが語ってくれました。
「私はつらい子ども時代を過ごしました。父親がおらず、シングルマザーの母は、お金がなくて食べる物がなかったことも多く、高校も卒業できませんでした」
リーダーシップや権利、良い決断をする方法について学んだジェシカさんは笑顔で語ります。
「失敗ばかり繰り返している時期もありました。でも有難いことに、新たなチャンスを得ることができました。ワールド・ビジョンの活動を通じて、リーダーシップや権利、良い決断をする方法について学びました。また、装飾品や手工芸品の作り方を学ぶワークショップにも参加しました」
「女性グループの活動にも参加し、地域の女性たちに技術を教えるようになりました。縫製の研修のおかげで、子どもの服も自分でデザインして作っています。今では家族の収入の助けにもなっています。将来は、先生になりたいと思っています。今、安全で幸せに暮らせることがとても嬉しいです」
プンガラ地域開発プログラム マネージャー、エドガー・ポーカルからメッセージが届いています。
「プンガラ地域と家族を代表し、ご挨拶申し上げます。貧困削減の働きへご協力と尊いご支援に感謝いたします。
2018年最大の成果は、子どもたちや青少年が、生徒会、各クラスでの学び、休暇中のキャンプへの参加を通じ、学校や地域で子どもには権利があることを学び、知識が深まったことです。
一方、最大の課題は、子どもたちを見守る仕組みを地域で整える必要があることです。子どもに対する虐待がないか地域を見守り、問題があった場合には報告を行えるよう地域住民や行政と連携していきたいと思っています。
皆さまからのご支援に支えられ、引き続き子どもたちの人生に変化をもたらし続けられるよう努めてまいります」
プンガラ地域開発プログラムでは、教育の質をあげることや、生計向上のための支援や研修のほか、基本的な衛生知識の啓発を目指し、子どもたちが本来持っている可能性を伸ばすため、これからも活動を続けていきます。
エクアドルは南アメリカ大陸の北西部、赤道直下に位置する国で、コロンビア、ペルーと接し、西は太平洋に面しています。国土の中央はアンデス山脈が縦断しているため標高が高く、首都キトの標高も2,800mです。
プンガラ地域は首都から南に238km、車で4時間ほど走ったところにあります。標高3,000m以上の山岳地帯で、先住民が住民の9割を占めています。エクアドルの中でも特に貧しい地域で、電気、上下水道、教育、保健施設などのインフラ整備が遅れています。貧困に加え、薬物・アルコール依存や家庭内暴力なども問題となっています。