熊本地震緊急支援活動レポート

(2016.11.08)

皆さまの募金が、16,400人を笑顔に

給食支援を実施した益城町の小学校にて

4月14日に発生した熊本地震は、九州各地に甚大な被害をもたらしました。今も、困難な状況の中で暮らす方々が大勢います。ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、地震発生3日後に現地入りし、被災者のニーズに沿うこと、行政の手が届かないニーズに対応すること、子どもに寄り添うことを目指して活動。

9月30日までの活動期間中に、のべ約16,400人に支援を届けました。その内容を、3つの支援の柱に沿ってご報告します。
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①物資支援

4月17日、被害が最も大きかった地域の一つである益城町に入ったWVJ は、総合体育館に避難していた約1,200人に、飲料や衛生用品、紙食器等を届けました。これを皮切りに、続々と寄せられるニーズに応えるべく、毛布、バスタオル、高齢者用長ズボン等を、熊本市や益城町の避難所を中心に配布。

5月後半からは、暑さをやわらげるクールタオルや、避難所の生活環境を改善するマットレスを支援し、物資支援全体では、のべ4,636人に物資を届けました。

4月17日の物資配布の様子

②子ども支援

心のケアと遊び場運営

益城町総合体育館の避難所運営を委託された熊本YMCAとともに、子どもたちが自由に集い、安心して遊べる屋内の「プレイルーム」と屋外の「プレイパーク」を共同運営しました。期間中、のべ2,330人の子どもたちが利用しました。

また、災害により心理的ストレスを抱えた子どもへの接し方(心理的応急処置:Psychological First Aid)について、WVJ の専門スタッフが講師となり研修を実施。知見を地元の関係者に継承しました。

プレイルームでスタッフと遊ぶ子どもたち

学校再開支援

給食センターが被災した益城町では、全公立小中学校に対して給食支援を実施しました。子どもたちに少しでも栄養価の高い食事を届け、給食を楽しみにしてもらえるよう、給食費用の一部を支援しました。

また、体育館での授業を余儀なくされた中学校へはパーティション(間仕切り)、余震への備えが不足していた保育所への防災備品、音楽活動が盛んな学校へは楽器等、教育現場のニーズにきめ細やかに対応。熊本市、益城町、西原村で、9,009人に支援を届けました。

調理器具を支援した保育所では、温かい昼食が出せるようになりました

③教会を通じた支援

キリスト教精神に基づいて活動する団体として、キリスト教会と連携した活動を実施しました。被災地域と教会を支援するために設立された九州キリスト災害支援センターの協力団体として、活動拠点に東日本大震災の復興支援経験をもつスタッフを派遣。

病院での炊き出しや、こどもの日イベントの運営等をサポートしました。夏休みには、親子バスツアーを実施し、約400人の方々に楽しんでいただきました。

こどもの日イベントには、60人以上の子どもたちが集まりました

熊本支援活動を通して感じたこと

支援事業部 部長
今西 浩明 

災害発生直後はいつもそうですが、被災された方々が混乱している中で、WVJ のような外部の人間にやらせてもらえることは何かを探ることは、とても大変です。しかし、東日本大震災の経験を生かして今回WVJ が行った支援は、本当に必要な人や場所に届けられたと思っています。今回の支援活動を通じて新たな学びもありましたので、その教訓を今後に活かしていきます。

熊本や大分はまだ大変な状況ですので、引き続き状況を見守っていきます。

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