2014.06.12
2012年12月から、外務省との連携により、ベトナムで母子保健分野のプロジェクトを実施しています。
都市部での経済発展が著しいベトナムですが、地方では依然として貧困率が高いなど、社会・経済的な地域格差が広がっています。こうした地域格差は保健指数にも影響を及ぼしており、事業を行っているディエンビエン省の妊産婦死亡率は84対10万出生(ベトナム平均69対10万出生、日本平均41対10万出生)と非常に高くなっています。
同省は伝統的な農耕生活を営む少数民族が多い僻地(へきち)で、保健施設は資金不足のため政府の基準を満たしていないところが多い上に、アクセスが悪く、さらに言葉や文化の違いから、住民の保健サービスの利用率が非常に低いのが現状です。
こうした状況を改善するために、ワールド・ビジョン・ジャパンはディエンビエン省の人々とともに、
1)保健施設の改善
2)保健スタッフの妊産婦・新生児ケアに関する知識・技術の向上
3) 地域住民の妊産婦・新生児ケアの知識の普及、行動変革
を目指して事業を実施しています。
1)については、ベトナム政府の設定するガイドラインに沿った機器材の支援と施設の改善を行っています。2)については、郡、コミューン(郡の下部行政区分)、村落の各スタッフに適したトレーニングの実施をしています。3)に関しては妊産婦・新生児ケアに関する知識を普及させ、地域住民の行動変容を促すためのワークショップなどを行っています。
今回の支援は、日本の外務省の「日本NGO連携無償資金協力」による資金と、皆さまからご協力いただいた募金により行われています。2014年2月9日からの第二期事業の事業開始にあたり、在ベトナム日本大使館において深田博史特命全権大使のご出席のもと、日本NGO連携無償資金協力贈与契約書への署名式が行われました。
地域住民の方々の理解と積極的な参加を得ながら、事業地で安全なお産がおこなわれるよう、今後も継続して事業を実施していきます。
★ベトナムに駐在してこの事業を担当していたスタッフが、事業で出会った人々や、ベトナムでの生活について綴ったブログを紹介します!