2009.04.03
1994年4月にルワンダでツチ族とフツ族穏健派に対する大量殺戮(さつりく)が始まり、3カ月の間に100万人ともいわれる人々が犠牲になってから、15年を迎えます。ルワンダでは、虐殺から15周年を記念する国際シンポジウムが首都キガリで4月4日(土)~6日(月)まで開催され、7日(火)~13日(月)の哀悼週間中には様々な行事が行われる予定です。15周年のテーマは、ルワンダ人同士の和解を進め、虐殺を生み出すような価値観と闘うこと、とされています。
ワールド・ビジョンは大虐殺が起きた1994年から、ルワンダで活動しています。当初は避難民の人々、なかでも子どもたちへの支援活動を行いましたが、1998年からはルワンダへの帰還を始めた人々の生活復興支援に、活動の重点を移してきました。2000年からは、長期的な視点で子どもたちの健やかな成長を目指す地域開発プログラムの実施に力を入れています。
大虐殺は、多くの子どもたちの心に大きな傷を残しました。また、多くの子どもたちから親を奪いました。ルワンダでは現在、65,000世帯以上が、子どもたちのみからなる"子ども世帯"だといわれています。こうした世帯では、一番年長の子どもが大黒柱となり、年下の子どもたちの面倒をみざるをえません。ワールド・ビジョンはこのように弱い立場にある子どもたちや、夫を失った女性たちに対して、収入向上の機会を提供するなどして支援しています。
ワールド・ビジョンは、ルワンダの人々に和解の心がなければ、復興開発はうまく進まないと考えています。このため、"地域の一致"の実現を活動戦略の重要な柱とし、人々が虐殺から受けた傷を癒すこと、平和を築いていくこと、そして和解していくことを目指した活動を、全ての事業に組み入れて実践しています。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、虐殺の混乱が収まった直後から農業復興事業を開始し、1997年まで実施しました。その後、支援再開の機会を調整してきましたが、大虐殺で最も深刻な打撃を受けた地域の一つであるキラムルジでチャイルド・スポンサーシップによる支援を行うことを決定し、準備を進めてきました。今年中には、チャイルド・スポンサーの募集を開始する予定です。