(2017.03.03)
2003年からチャイルド・スポンサーシップの支援活動をしてきたケニアのオレントン地域開発プログラム(ADP)が、今年9月末で終了を迎えます。
このオレントンADPのマネージャー、シニーナ ・シャニ スタッフ(以下、シニーナ)が、これまでの活動の成果をご報告するとともに、日本の皆さまへの感謝をお伝えするため来日しました。
*招聘にあたり、塩野義製薬株式会社様からご支援をいただきました。
2月22日(水)に大阪、23日(木)に東京で、ワールド・ビジョン・カフェ(WVカフェ)を開催。シニーナより、チャイルド・スポンサーシップによるケニアでの活動について報告を行いました。(
子どものころに「チャイルド」としてワールド・ビジョンから支援を受けていた経験を持つシニーナは、冒頭の自己紹介で支援によっていかに人生が変化したか、どのような経緯を経てワールド・ビジョンで働くに至ったのか、どれほど支援に感謝しているかを力強く語りました。
その頃から「将来ワールド・ビジョンで働きたい!」と考えていたシニーナは、現在はオレントンとイララマタクを含むケニアの4つの地域でマネージャーを務めています。今回のカフェでは、今年9月末に終了を迎えるオレントン地域について、日本の皆さまのご支援によってどのような成果があったのか、子どもたちと地域にどのような変化が起きたかを報告しました。
伝統的なマサイ族の民族衣装で登壇したシニーナは、マサイ族の文化の素晴らしさを誇りに思っていると語ったのと同時に、FGM(女性器切除)や一夫多妻制、遊牧生活といった伝統的な慣習が、子どもたちの就学率の低さや女の子の早婚といった課題の原因になっている背景を具体的に説明しました。
チャイルド・スポンサーシップの活動では、こうした慣習がいかに子どもたちに悪影響をおよぼすか、学校をやめずに教育を受けることによってどのような可能性が広がるのかを住民や子どもたちが理解できるよう働きかけを行いました。今では、オレントン地域でFGMを受ける女の子の割合が80%から25%程度にまで減っています。一方で、支援の途上にあるイララマタク地域では、FGMを受ける女の子の割合が高い状況が続いています。
「私自身、ワールド・ビジョンのサポートがあってFGMを受けずに済みました。私の村でFGMを受けなかった女の子は私と私の姉妹だけだったので、変わり者扱いをされ、差別も受けました。でも、今はどうでしょう。教育を受け、英語を学び、こうしてワールド・ビジョンのスタッフとして子どもたちのために働く仕事に就くことができています。
FGMを受けずに教育を受け続けることができている女の子たちも、将来の夢を持つことができています。皆さまのご支援は、子どもたちの人生に大きな変化をもたらしてくださったのです」
何度も「ありがとう」と繰り返して報告を終えたシニーナに、会場から大きな拍手がわきおこりました。
「支援を受けて育ったシニーナさんが、今は現地で活動しているということが聞けて、支援が活かされているのを実感しました!!」
「シニーナさんの話を聞いているうちに、一人の人生を良い方向に変えることが本当にできているんだと解り、すごく感動しました。ただ単に報告ではなく、それ以上の素晴らしい"いのち"があることが解りました」
ケニアのチャイルドをご支援くださっている方の中には、写真を持ってきている方が複数いらっしゃり、カフェ終了後にシニーナに「この子を支援しているです」と見せてくださっていました。
シニーナはチャイルドの写真を手に持ったスポンサーの方を自分のスマホで撮影し、「あなたのスポンサーに会ってきたわよ、と伝えます」とチャイルド番号をメモに控えていました。
WVカフェ開催の翌日、シニーナに改めて日本のチャイルド・スポンサーの皆さまと会った感想、日本に初めて来てみての感想を聞いてみました。
「たくさんの方がイベント終了後に個人的に私に話しかけてくれました。チャイルドの写真を持ってきて見せてくれた方もいました。ケニアのチャイルドのことを思ってくださっている強い気持ちが伝わってきました。直接お礼を伝え、一緒に写真を撮ることができて嬉しかったです。
私は自分のチャイルド・スポンサーに会うことはできませんでしたが、今回こうして日本のスポンサーに会うことができて、まるで自分のスポンサーに会ってお礼が言えたような気持ちになりました。
ケニアに帰国したら、日本のスポンサーの皆さまのことを子どもたち、同僚、家族みんなに伝えます。温かい思いで支援くださる皆さまの気持ちに答えられる活動が進めていかれるよう、これからもがんばります!」
WVカフェ in 東京 でのシニーナの報告(約35分)