(2017.2.27)
2月17日(金)、タイの事務所から嬉しいニュースが飛び込んできました。
「チャイルドが絵で賞をとり、表彰式の参加で日本に行っています」
チャイルド・スポンサーシップを通して支援を行っているタイのタプラヤ地域に暮らすケオラッダーちゃんが、MOA美術館全国児童作品展
2月19日、静岡県熱海市にMOA美術館で開催された表彰式にうかがい、インタビューができました。日本全国から絵画部門と書写の部門で受賞した子どもたちと保護者の方、来賓の方など約850名もの方が来場していました。海外からはタイのほかメキシコからも受賞者と関係者が参加していました。
「家で飼っている豚を描きました。妹が餌をやっています。後ろにいるのは、おじいちゃんと親戚のお姉ちゃんです。賞がとれて日本に行かれると聞いたときは信じられませんでした」
ケオラッダーちゃんは、祖父母と妹の4人で暮らしています。母親はバンコクで働いていて、年に4回ほどしか会うことができないそうです。
ワールド・ビジョンでは、チャイルド・スポンサーシップによるタプラヤ地域開発プログラムの活動を通して、ケオラッダーちゃんのような家庭に豚を支援しています。殖やした豚を売ることもできます。
「豚はかわいくて好きです」と、ケオラッダーちゃん。
ケオラッダーちゃんの引率で来日していたチャンクライ先生にもお話をうかがいました。チャンクライ先生は以前バンコクにある教育大学付属の高校で教師をしていましたが、地元に戻って小学校の先生になり、もう何年もの間、自主的に子どもたちに絵を教えています。
「農村に暮らす子どもたちは貧しく、同じタイでも都市に住むお金持ちの子どもたちとは全く異なる生活をしています。厳しい家庭環境にある子どもたちが、絵を描くことを通じて夢を持ち、自信を持って人生を歩めるように願っています。子どもたちに機会を与え、夢を実現できるようサポートしたいのです」
そう力強く語るチャンクライ先生。ケオラッダーちゃんの今回の受賞と来日は、絵画教室に通う他の子どもたちにとっても大きな励みになりました。
子どもたちが使う画材を自費で購入しているチャンクライ先生ですが、お腹をすかせている子どもたちにおやつも買ってあげているそうです。そんな優しい先生に喜んでほしいと、ケオラッダーちゃんは友だちと少しずつお金を出し合って、先生の誕生日にタイ料理を作ったそうです。
「将来の夢はシェフです。得意料理は・・・玉子焼き」
と、恥ずかしそうに笑顔を見せてくれたケオラッダーちゃんでした。
ケオラッダーちゃんの受賞と来日について、埼玉県にお住まいのチャイルド・スポンサーである松本様にも電話でご連絡しました。
「嬉しいお知らせをありがとうございます!すごいですね。手紙を書こうと思っていたところだったので、お祝いのメッセージを書きます」
急なご連絡だったので、来日しているケオラッダーちゃんとの対面は叶いませんでしたが、「いつか、私がタイへ会いに行くこともできますね」と語ってくださった松本様。ケオラッダーちゃんを思う優しい気持ちが電話越しに伝わってきました。